10月30日 三浦雄一郎 ロブチェBC→ディンボチェ
三浦豪太 8:45ロブチェBC出発→コンマラ→17:50ディンボチェ到着
《三浦豪太さん遠征日記より》
ロブチェイーストの登山を断念し、昨日決まったのが三浦雄一郎をはじめ、大城先生、貫田さんが直接ディンボチェに向かい、五十嵐さん、三戸呂君、僕が来年の高度順化プログラムのためにコンマラ、及びポカルデ氷河を偵察に行くというものだ。
コンマラ峠を通るという事は5500mの峠を越える事になる。この峠はクンブ氷河の谷とイムジャツェ谷を分ける峠だ。
目的地であるディンボチェはちょうどその分岐点部分にあるため、直接おりれば3時間程度でつくが、コンマラを通ると三角形の2点を通りさらに大きな標高差のあるコンマラ峠を越えなければいけない。
しかし、以前から五十嵐さんと僕はこのトレッキングルートに注目していて、父から偵察を命じられた時、ちょうどいい機会だと思いむしろ嬉しかった。
ロブチェ側からコンマラ峠に行くためにはまず、クンブ氷河を越えなければいけない。氷河は複雑なモレーン帯でルートを探すのは難しいと思っていた。同行してくれるサーダーのギャルツェンもこのルートは初めてであったため、ルートを見つけるのに多少の不安があったが、意外にロブチェ方面に向かうとしっかりとしたルートが見つかった。
2時間もするとコンマラ峠の麓に辿り着く。
ここから700mもの高度差を登り反対側のイムジャツェの谷に向かわなければいけない。気合いをいれてパックランチを食べる。
ゆっくりとしかし確実に登るが、標高5000mを超えるあたりから、空気が希薄になるのが顕著に感じられるようになる。無理もない、高度順化としてロブチェイーストに登ったのはハイキャンプの5300mまでだった。この峠はそれよりも200mも高い。
3時間もかけてやっと峠にたどり着く。そこには巨大なコバルトブルーの湖、ローツェ、ヌプツェ、アマダブラム、マカルー、イムジャツェが一望に見える。クンブ氷河側にはロブチェイースト、タオチェ、チョラツェ等が一望できた。僕がエベレスト街道で初めて見ることができるコンビネーションであった。
ここから尾根伝いにポカルデ方面に登る。30分ほどサーダーのギャルツェンと登ると氷河に出る事が出来た。滑らかなマシュマロのような氷河の間にはクレヴァスが開いているが、氷河の上部にはだれかが立てた竹棒が立っている。おそらく僕達と同じ目的(スキー、スノーボード)のために来た人が立てたのであろう。
十分にスキーがすることができる事を確認して、下山活動を開始する
湖まではわずか標高差にして100mほど降りる。湖畔はまるで避暑地のようなたたずまいで水も綺麗でキャンプ地としては最高だ。しかし高度計をみるとそこは5400m、軽井沢の別荘とはいかない高度である。
来年のエベレスト高度順化に使えるかと言ったら、ディンボチェの標高が4300mとして、少なくても中間キャンプをさらに二つ作らなければいけないだろう。それぞれのキャンプ候補地を探しながら降りると、ディンボチェに着くころには暗くなっていた。
来年のいい下見ができた。
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